滋賀県人の日記

書きたい事を書いていくだけのブログです。旅行の記録とか思い出とか。

ノースウエスト航空の話(2/2)

 アライアンス再編と経営統合
スカイチームに加盟した旧ウイングス・アライアンスメンバーは、それぞれ他社と統合の道を歩み始める。まず2005年にKLMとエールフランス持株会社方式での経営統合が行われ、マイレージプログラムも統一された。そして2008年、ノースウエスト航空も同じスカイチームに加盟しているデルタ航空との合併を決定する。ノースウエスト航空が持つアジア太平洋路線とデルタ航空が持つ中南米ネットワークを合わせることにより、より広いネットワークの形成を期待したことによるものである。これまで提携してきたエールフランスKLMとも引き続き関係を強化し、スカイチームとして大西洋と太平洋をカバーする狙いがあった。

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かつてノースウエスト航空と提携を行なっていたKLMオランダ航空は、

2004年にエールフランス経営統合を行った

21世紀に入り、航空業界ではアライアンス同士の競合が始まっていた。複数あったアメリカの航空会社もアライアンス競争の渦中で次第に統合、消滅の一途を辿っていくことになる。かつてのウイングス・アライアンスの一員であり、ノースウエスト航空と提携していたコンチネンタル航空スカイチームを離脱し、スターアライアンスメンバーのユナイテッド航空と合併した。またUSエアウェイズも、ワンワールドメンバーのアメリカン航空と合併するためスターアライアンスを離脱した。
 
こうして2020年現在、アメリカの主要航空会社は3社に統一され、スターアライアンスユナイテッド航空ワンワールドアメリカン航空スカイチームデルタ航空、のように各社とも異なるアライアンスに加盟し、それぞれのアライアンスの性格を生かした戦略を取っている。
 
 
筆者はノースウエスト航空に4回搭乗したことがある。往復の搭乗を2回とカウントすれば、8回搭乗している。初めて搭乗したのは2005年、私が利用した関空ホノルル線にはなんとDC-10が充当されていた。もちろん当時の私は機種を判別できなかったが、当時の記憶を元に後々調べてみるとDC-10であった、というわけである。またその翌年にノースウエスト航空を利用した際は747のクラシックであった。というのも、螺旋状の階段があり、上に行きたいと親に言った覚えがあるからだ。
最後に搭乗したのは2007年、機材はA330であった。2007年当時のA330といえば最新機材であり、古い機材でも製造されてから5年程度しか経過していなかったはずである。今までの機材とは違って座席にモニターが付いており、驚いたのを覚えている。幼い頃にはよく飛行機に乗っていたが、そのほとんどがノースウエスト航空であったため、ノースウエスト航空は私の思い出の航空会社と言っても過言ではない。幼少期で好き嫌いが多かったため、そこまで機内食を美味しいと思えず、半分ほど残してしまったこと。緑茶を頼みたくて「Tea please」と言ってしまい紅茶が出てきて困惑したこと、男性CAからバッジとトランプを貰ったこと、すべてがいい思い出である。今ではあの機内食に少し恋しさすら感じる。
 
次に国際線を利用したのは、2010年にデルタ航空を利用した時のこと。機材は747-400であった。ノースウエスト時代も機材は古かったのだが、今回は運悪く自分の席のリクライニングが壊れており、何時間も垂直の姿勢で座っていて疲れたためか、現在でもあまりデルタにいい印象を抱いていなかったりする。ただ最近のデルタの機内食はいいという話も聞くので、乗りたい気持ちも少しある。その後、2019年にANAの国内線787に登場するまでしばらく飛行機に乗る機会がなかった。国内線でも飛行機に乗るのは楽しいものだが、これまでに長距離の国際線に乗り慣れているため、国内線ではどうしても物足りなさを感じてしまう。
 
双発機の性能が飛躍的に向上した今となっては、4発機がもはや時代遅れとなっており、当たり前のようにジャンボ機が飛び交っていた日本でもその姿を見る機会は激減してしまった。さらに2020年の感染症流行による航空需要の急減は、4発機を運航している事業者に早期退役の決断をもたらした。

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数少ないA380オペレーターの一つ、タイ国際航空

コロナウイルスの世界的流行による航空需要減で経営破綻に追い込まれた

 
今となっては、近距離国際線も小型機による多頻度運航に切り替えられ、海外旅行がより身近なものへと変容した。しかし私にとっては国際線といえば大型機であり、大型機に乗るときの独特の高揚感が感じられなくなるというのは、少し寂しく感じてしまう。
関西空港LCCの小型機が飛び交っている様子を見ていると、かつての大量輸送時代の終焉を改めて実感すると共に、あの時感じた旅情を懐かしんで寂しく思ったりするのである。

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夕暮れの関西国際空港で出発に備える飛行機たち

国際線の需要復活はいつになるのだろうか